ビーンの本棚

小説や自己啓発本の感想文

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

寺地はるな 『雨夜の星たち』

必要以上の感傷は、人生の荷物になるからー あらすじ できないことは、できません。やりたくないことも、やりません。三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は「お見舞い…

中村文則『何もかも憂鬱な夜に』

どうしようもなくなる夜ー あらすじ 施設で育った刑務官の「僕」は、十八歳のときに強姦目的で女性とその夫を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している――。どこ…

岡田麿里『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。下』

生き返ってでも、叶えたかった夢ー あらすじ 突然帰ってきた少女〈めんま〉のお願いを叶えるため、かつて幼なじみだった高校生達は再び集まった。しかし1人1人の胸には、それぞれの痛みがしまいこみー。 はたして、めんまのお願いは叶うのか? めんまの本当…

岡田麿里『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』上

いつだって、いつまでだって、なかよしなんだー あらすじ 昔は仲良しだった幼なじみたち。「超平和バスターズ」を名乗り、いつも一緒だった6人だが、高校生となった今ばらばらに、引きこもり気味の、じんたん。ギャル友達との付き合いに必死、あなる。進学校…

中脇初枝『神の島のこどもたち』

終戦から7年が経った。まだ、戦いはおわっていない。 あらすじ 1952年。高校2年生のカミは神戸に行った幼馴染を想いながらも、家族と友人と沖永良部島で暮らしていた。しかし、いつまで経っても島は米政府の統治下に置かれたまま、復興が進み豊かになってい…

町田そのこ 『52ヘルツのクジラたち』

あらすじ 自分の人生を家族に搾取された女性:貴瑚と母に虐待され「ムシ」と呼ばれている少年。孤独ゆえに愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語ー 感想 無償の愛が欲しさゆえ、暴力をされても我慢してしまう子供の心情、自分の思い描いてた…

このクラスには死者がいる⁉︎

綾辻行人『Another 』 あらすじ ある日、療養のために亡き母の母校に転校してきた主人公は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気を覚える。同級生で不思議な存在を放つ少女に惹かれ、何とか接触を試みる主人公だが、クラスメイトに咎められる。それでも気…

垣谷美雨『避難所』

あらすじ 3.11 東日本大震災の津波によって住まいと大切な家族を失った被災者。 ある避難所に避難した三名の女性視点から描かれるそこであった避難生活の苦悩とプライバシー問題、将来の不安。 そして、偶然にも出会った三名の女性が新たな道を歩んでいくー …

畑野智美『神さまを待っている』

ー彼女たちは自分を救ってくれる(神様)をまっている。 あらすじ 大学を卒業後、派遣社員として生計を立てていた主人公はある日契約満了を言い渡される。 その後仕事は見つからず、次第に貯金が底をつき主人公はホームレスになってゆく。 旧友の紹介で出会い…

逢坂冬馬 [同志少女よ、敵を撃て]

読書レビュー2 ー私は女性を守るために戦います あらすじ 敵国の狙撃手に母を殺されたセラフィマは仇を討つため、赤軍女性狙撃手イリーナがいる訓練学校で一流の狙撃手になることを決意する。同じ境遇で大切なものを失い、戦いを選んだ同志たちと共に訓練を…